ZAO_CHEESE_FACTORY
ナチュラルチーズ製造技術マニュアル
財団法人 蔵王酪農センター
ナチュラルチーズ作りQ&A
[目次]
Question1 Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13

ナチュラルチーズは将来性がありますか?

Answer
プロセスチーズからナチュラルチーズへ

国産ナチュラルチーズの生産量は、農林水産省畜産局牛乳乳製品課の調査によれば平成3年度から平成12年度までの10年間に約20%増加しています。その内訳は極めて特徴的で、プロセスチーズ原料用の伸びが10%程度であるのに対し、直接消費用ナチュラルチーズの伸びは50%台に達している点が注目されます。一方、海外からのナチュラルチーズの輸入も大幅な増加で、プロセスチーズ原料用、直接消費用ともに同程度の伸びとなっています。全体を見ると、既にナチュラルチーズの消費量はプロセスチーズを上回っていますが、ナチュラルチーズ消費量の伸びに国産ナチュラルチーズ製造が追い付かないため、国産比率は低下傾向となっています。

●国産ナチュラルチーズ生産量 / /
/ 平成3年度 平成12年度
国産ナチュラルチーズ生産量 27,111t 33,669t
プロセスチーズ原料用 17,559t 19,041t
直接消費用 9,552t 14,628t
●輸入ナチュラルチーズ総量 / /
/ 平成3年度 平成12年度
輸入ナチュラルチーズ総量 122,309t 202,297t
プロセスチーズ原料用 49,091t 74,394t
直接消費用 73,218t 127,903t
●チーズ総消費量 / /
/ 平成3年度 平成12年度
チーズ総消費量 163,584t 259,576t
直接消費ナチュラルチーズ 82,770t 142,531t
プロセスチーズ 80,814t 117,045t
●国産品の占める割合 / /
/ 平成3年度 平成12年度
プロセスチーズ原料 26.3% 20.4%
チーズ総消費 17.9% 13.9%
増える製造所で多彩な品目が

チーズ消費量が伸び、今後も一定の伸長が期待される状況を背景に、国内のナチュラルチーズ製造所は増加しています。国産ナチュラルチーズ製造技術マニュアル作成委員会が確認した国内のナチュラルチーズ製造所数は、平成13年度109箇所にのぼり、 平成元年度の57箇所から倍近い伸びとなっています。 特に、 期間後半の増加は著しいものがありますが、 新規製造所の多くが小規模生産であるため、 全体的な生産量を押し上げるには至っていないことが、 統計の数値にも表れています。
製造するチーズの品目をみると、 ゴーダチーズ、 カマンベールチーズ、 モツァレラチーズ、 ストリングチーズ、 チェダーチーズ、 クリームチーズなどが多いものの、 一般にはあまり知られていない特徴ある種々のチーズも製造されており、 各々の製造所の意欲を窺わせています。

個性的で高品質の製品を

国などによる酪農安定特別対策事業の国産ナチュラルチーズ振興対策事業によって製造所数、生産量ともに増加してきた国産ナチュラルチーズですが、一部に製品化を急ぐあまり品質に疑問を感じさせるものがあるのも事実で、消費者の目が厳しさを増す中で、一層の品質向上が求められます。
我国のナチュラルチーズは、プロセスチーズ原料の国産使用率が低水準に止まっていることもあり、大きな可能性を秘めているといえます。その可能性を現実のものとするには、日本の気候風土に適し日本人の嗜好に応える製品の開発、地域色などを活かした個性ある製品の生産、衛生的で安全な製品の安定生産、などを目指し、消費者とともに豊かなチーズ文化を醸成してゆく必要があります。いずれも容易ではありませんが、目先の現象にとらわれることなく長期的視点に立って取り組めば確実な成果が期待できます。


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